不動産売却時の税額は、「不動産の売値」「不動産の買値」「売却・購入にかかった費用」を把握しておくことで知ることができます。なぜなら、これらをもとに税額の計算がされるからです。
本記事では、不動産売却時に知っておくべき税金や税額の計算方法、そして節税方法までをまとめて解説します。自分での計算が難しい場合の査定方法についてもご紹介していますので、以下を参考に不動産売却時の税金について知り、納得いく金額での売却を目指しましょう。
不動産売却時に知っておきたい税金は3つです。どのようなものがあるのか、それぞれ詳しくご紹介しましょう。
譲渡所得税とは、不動産の売却価格から必要な費用などを差し引いた利益にかかる税金のことで、譲渡所得に課税される所得税や住民税などのことです。
分離課税の所得として扱われるので、総合課税の給与などとは異なる方法で税金を計算しなくてはなりません。計算方法や内容については後述しますので、そちらを参考にしてください。
また、2013年1月1日から25年間は、2011年に発生した東日本大震災における被災者支援のため、所得税に対して2.1%を上乗せして徴収される復興特別税もかかります。
譲渡所得税は支払いのタイミングが2つにわかれていて、所得税と復興特別税は売却が確定した年の確定申告期間中、住民税は翌年に課税されます。課税のタイミングが異なるのは、住民税が所得税の申告に基づいて決まるものだからです。
ただし、所得税と復興特別税は、納付すべき金額の2分の1以上を納付すれば、残りは振替納税の手続きをして少し納税の期限を延長することができます。その期限は国税庁によって定められていて、期日になると納税を遅らせた分の金額が口座から引き落とされるのです。
登録免許税とは、不動産登記の名義変更にかかる費用のことです。不動産売却による利益がなくても発生する税金で、不動産の売主と買主の両方に納税義務があります。
登記の種類によって金額は異なり、所有権移転をおこなう場合は、固定資産税評価額×2%の税率がかかります。
印紙税とは、不動産の売買契約の際に貼り付ける収入印紙にかかる税金です。登録免許税同様、利益が出なくても発生する税金で、売買契約の金額によって値段が異なります。
2014年の4月1日~2020年の3月31日までの間に作成される契約書に関しては、記載金額が10万円以上であれば軽減税率の対象になるので、以下のような金額になります。
10~50万円以下は200円、100~500万円以下は1,000円、1,000~5,000万円以下は10,000円、1億円~5億円以下は60,000円です。
ご紹介した金額はあくまでも一例です。金額の詳細については契約書作成時に改めてご確認ください。
前述の通り、譲渡所得税は分離所得にあたり、給与などとは別の扱いになっています。以下を参考に、どの程度の税額になるのかを自分で計算してみましょう。
不動産の売却価格から、取得費・譲渡費用を引いたものが譲渡所得で、その譲渡所得からさらに特別控除額を引くと課税譲渡所得が算出できます。譲渡所得税とは、この課税譲渡所得に税率をかけた金額のことです。取得費・譲渡費用・特別控除額がそれぞれどのようなものかみていきましょう。
・取得費
取得費とは、売却する不動産を取得した際にかかった費用のことです。不動産購入時の代金や仲介手数料、登記費用などが対象になります。
・譲渡費用
譲渡費用とは、不動産の売却の際に必要な費用のことです。前述した不動産登記の名義変更などの費用や印紙税のほか、仲介手数料や建物の解体費用、などが含まれます。
・特別控除額
特別控除とは、一定の条件を満たせば適用される措置のことです。特別控除額はその金額をあらわすものですが、詳しい金額は適用される措置の内容によって異なります。
上記の3つをもとに算出した譲渡所得に、決められた税率をかけたものが譲渡所得税です。税率は売却した年の1月1日時点での不動産の所有期間によって異なります。所有期間が5年以下なら、短期譲渡所得なので39.63%、5年を超えていれば、長期譲渡所得なので20.315%です。
ご紹介した計算式を知っていれば、不動産売却時の税金の計算は可能です。しかし、譲渡費用や特別控除額が判断できず、具体的な金額がわからないという方もいるでしょう。
そのときは、査定に出して金額を知ることが一番です。弊社では、不動産売却のための無料オンライン査定サービスをおこなっております。
物件情報やお客様情報を入力するだけなので、短時間での査定が可能です。最大6社からの査定が可能なので、条件のよい不動産会社を効率よく探すことができるでしょう。ぜひお気軽にご利用ください。
不動産売却時にかかる税金やその計算方法についてはご理解いただけたことでしょう。ここからは、その税金を節約する方法についてご紹介します。
自己判断が難しい場合は、プロに相談するという方法もあるので、「こんな制度があるのか」という参考にしていただければ幸いです。
ご紹介する節税のポイントは、売却する不動産が以下の4つの条件を満たしたマイホームであった場合に受けられるものです。
ほかにも必要な条件があるケースもあるので、以下を参考に3つの特例制度を覚えておきましょう。
・3,000万円特別控除
3,000万円特別控除は、上記の4つの条件を満たしたマイホームを売却する場合であれば適用される制度で、その名の通り3,000万円の特別控除を受けられるというものです。
・所有期間
譲渡所得税の計算の際に少し触れた、所有期間の違いによる税率の違いもポイントになりますが、所有期間が10年を超えていた場合は、さらに税率が下がります。課税譲渡所得が6,000万円以下という条件付きになりますが、14.21%になるのです。
・買い替え
マイホームの買い替えのための売却でも節税が可能です。この制度は、ご紹介した4つの条件のほかに、土地と建物の両方の所有期間が10年を超えている必要があります。
ご紹介した条件を満たしていれば、活用できる制度があるので、うまく節税できるでしょう。しかし、制度によっては別の制度との併用ができないものもありますし、自分ではいくらくらいになるのか計算できないとう方もいるかもしれません。
内容はもちろん、金額や自分に適した節税方法がわからない場合は、不動産会社に依頼して、もっともお得に不動産を売却する方法を考えましょう。
不動産の売却には税金がかかります。種類もさまざまで、支払いのタイミングが異なるものもあり、わけがわからないと感じる方も多いでしょう。
しかし、どのような税金がかかるのかや税額の計算式がわかっていれば、自分で利益や税額などを計算することが可能です。ご紹介したような節税のポイントを確認していただければ、税金の支払いで損をすることもないでしょう。
ただし、業者によって売却の査定金額は異なります。少しでも得をして売却するためには、業者選びも重要なポイントです。弊社のサービスを利用して、より高い金額で売却を成立させましょう。