不動産物件の売却といえば、手続きをおこない、あとは仲介業者にお任せする。という印象であると思います。しかし、近年では売却方法も多様化してきているのをご存知でしょうか?
今回は仲介売買以外の方法である、不動産のオークションについてスポットライトを浴びさせてみようと思います。不動産のオークションってどういうことをするのか。また不動産オークションの売買方法は?など、新しい方法について一緒に勉強していきましょう。
目次
不動産オークションとは、その名のとおりオークション形式で、不動産物件を売買する方法です。1999年から不動産オークションの解禁がされており、誰でも土地や建物といった物件の取引ができるようになりました。
そのため近年ではネットオークションで不動産物件を出品し、取引できるようになったのです。そんな不動産オークションをおこなうには、どのような流れになるのでしょうか。まずは、オークションの手順から見てみましょう。
気軽にオークションできるといっても、衣類などのようにいきなり出店はできません。まずは不動産会社に売却の相談と査定をしてもらいましょう。その後、現地調査や役所調査を経て、問題なかった場合にその不動産物件は売却可能の状態になります。
ここまでの手続きをすませば、いよいよネットオークションに出店となるのです。
査定が終わったら、いよいよネットオークションに出品です。と、その前に媒介契約というのをしていきましょう。媒介契約とは「不動産の売買を公平に取引します。」という契約書を作るとこになります。
この契約は宅建業者をとおしておこないます。またその契約には、どうような条件で売却をおこなうのか。また売買成立後の報酬金額についても取り決めしていきます。要は公正に売買をします!という宣誓書みたいなものです。
そんな媒介契約は専属専任媒介で契約をしていきます。そして契約を結んだらいよいよネットオークションへ出品です。
売却への手続きを終えましたので、次は出品でございます。不動産用のネットオークションのサイトはいくつかあります。色んなサイトを調べてみて自分に合ったところで出品しましょう。
オークション形式ですので、買取価格は上がっていきます。かといって買い手が少ない場合、理想としている価格より下回った結果になってしまうかもしれません。最初の出品価格の設定がオークションのカギとなります。ちょうどいい設定価格を考えて出品してください。
土地と建物を購入する際、必ずやっておきたいことが内覧になります。その建物の構図や雰囲気を知ることはもちろん、近隣の環境もあらかじめ知っておきたいものです。そういったサイトだけでは分からないところを、直接足を運んで確認してもらう。
物件の内覧は購入希望者の希望に合わせてしてもらうと、売買成立後のトラブルを抑える効果にもなります。オークションの進行をスムーズにさせるためにも内覧をしてもらいましょう。
オークションの期日が過ぎ、入札額も決まったら売買成立です。ただし売買が成立したからといって、アフターケアを怠るとトラブルの原因になるので注意してください。新しい購入者とトラブルなく進行できるようにしていきましょう。
不動産のオークションというのはまだまだ始まったばかりで、浸透しきってはいない流通方法です。そんな初めてのことをしようと「踏み切り」をつけるのは、なかなか勇気がいることですよね。
ネットオークションを始めるには、もうちょっと情報が必要だと思います。ということでここからは不動産のオークションについて、メリット・デメリットをみていきましょう。
1.売却の情報が公平な状態で紹介される
通常の不動産売買といえば、不動産会社に売却の契約をして、その後のやりとりは不動産会社に委託します。不動産会社に委託をするときに売買契約を結び、その後は不動産会社の担当者がおこないます。
ネットオークションの場合は「売ること」に関して、自分でおこないますので進行具合や内容が見られます。不動産会社に委託した場合は、自分の物件はいつ、どんな人に買われたのかわかりません。
しかし、オークションは自分で買い手の進捗状況が分かりますので、いつにどんな人がいくらで購入するのかまでわかります。
2.新しい購入者に出会うことができる
通常の売却後はどんな人が購入しているかわかりません。どんな人が購入したのか気になったとしても、家を訪問しても不審に思われてしまうかもしれません。
オークションにかけている間に購入希望者と情報のやりとりがおこなわれることがあります。また内覧をしてもらう際には、顔合わせもしてどのような人か見ることもできます。自分に合った条件の人と取引できるのも、オークションのメリットになります。
愛着のある建物を引き渡す際に、新しい購入者との出会いもある。なんか素敵な出会いかたですね。
3.物件の購入価格を決めることが出来る
通常の物件購入価格は、不動産会社の助言を元に決めていきます。価格設定もきちんとした相場があるわけでもないです。売買も不動産会社に仲介されてきた人に対しておこなうという閉鎖的な状態です。
売買での購入価格の点はオークションなら自分でおこなえるので、適正価格を自分で設定することができます。また購入希望者が多く、落札価格を競り合う状況が訪れたら、予想を上回る結果になる場合もあります。
不動産オークションドリームが眠っている可能性があるのが、ネットオークションのおもしろいところなのです。
4.不動産会社の仲介がないので、売買のやりとりがスムーズにおこなえる
不動産会社の仲介があるということは、すべてのやり取りが一度不動産会社をとおしますのでタイムラグが発生します。仲介があるぶん、トラブルの原因を回避しやすくなるのですが時間がかかってしまいます。また売買に関しての見積りや媒介契約などの手続きも、相談や審査、サイン記入と手間もかかります。
オークションの売買は、オークションサイトにアカウント登録して出品するだけで売りに出されます。また購入希望者と直接やりとりできるので、タイムラグもありません。それ以外にも仲介手数料が抑えられるというメリットもあります。
1.売買契約でのトラブルが発生しやすい
不動産のオークションで売りに出す人も、買う人も売買に慣れている人ではない場合が多いです。お互いが不動産関係で働いたことのある人ならよいのですが、全くの素人が売買に参加する場合もあります。
また、落札者から急にキャンセルという事例もあります。不動産の売買は基本的に専門の知識がある人がおこなっていたので、知識のない人のトラブルは起きやすいといえます。
2.自分の中での予想価格を下回ることがある
ネットオークションは始まったばかりの、まだまだ「マイノリティー」な流通方法です。そのためまだ市場ができあがっておらず、物件数も少ないのが現状です。
また入札希望者が0人で、オークション期間が終了してしまうこともあります。思った以上の結果が出る場合もありますし、思ったより悪い結果になってしまうこともあるのです。
3.キャンセルトラブルが起きやすい
ネットオークションは手軽に出品も入札もできます。ただ不動産物件ですので、高額商品の取引となります。そのため、入札希望までは気軽にしたのだけれど、期日が近づくにつれて不安が募りキャンセルに…。なんてこともありえます。
オークションには専門知識も大事なのですが、円満な取引をおこなう努力も大切です。
不動産のオークションで出店するのであれば、せっかくだから高値で売りたいものですね。ここからは高額売却へのコツについて、説明させていただきます。
自分の住んでいる地域がどんな地域なのか、分かっているようで分かっていない場合もあるようです。住宅街・商業地域・工業地域などのジャンルや、富裕層・一般層などの地価、年齢層まで幅広いです。
そういった地域の情報を集めて、どの層をターゲットにするのか。というのが売買にとって大事な要素になります。また土地を売る場合は自分でターゲットを決めることが高額買取への第一歩となるのです。
建物を売りに出すとき、売主が遺産分割協議と相続登記が終わっていない場合があります。この状態ですと、所有者の移行ができませんので、物件の売却が出来なくなります。
権利のせいで、譲渡のトラブルに発展する場合があります。しっかりと所有者の持ち合わせている権利を確認しておきましょう。
ここまでは不動産オークションについて紹介させていただきました。では不動産オークション以外の売却方法は、どういったものがあるのでしょうか?ここからはオークション以外の別件売却方法を紹介していきます。
不動産業界でもっともポピュラーな売却方法です。不動産会社が仲介に入り売買する方法です。現在の不動産売買のほとんどがこの仲介売却でおこなわれています。流れをざっくり説明すると、不動産会社へ売却の相談と査定をします。
その後、売却は仲介にお任せするのですが、その前に媒介契約の手続きをおこなってください。
仲介売却と違うところは、直接不動産業者に売却するということです。そのため売却までが早めでスムーズに進行できます。また不動産会社が買取るので、すぐに査定額が手に入ります。ただし、買取額は他の方法に比べて低価格になってしまいます。
買取保証は売却までは、出品までは仲介売却とだいたい流れは同じです。売却にだしている一定期間、買い手がいないと仲介業者が引き取る。リスクがとても低い売却方法ですが、とりあつかっている仲介業者が大手しかいなのが課題の売却方法です。
リースパックは近年注目を浴びている売却方法です。なぜならコストが低いからです。物件を不動産会社に買ってもらい、買い取った不動産会社から、売った家を賃貸で期限付きに住む方法です。
物件の売却の仕方は、近年増加していっています。不動産オークションもそのひとつです。不動産のオークションは日本ではあまり根付いていませんが、海外ではすでに根付いて売買をしている国もあります。
通常「不動産物件の売買は自分たちではできない」と思っていた常識も、近い将来には過去のやりかたになっているかもしれません。
ネットオークション以外にも物件の売却方法はたくさんあります。自分にあった売却方法を探し出して、満足のいく売買ができればようですね。